ファンタジーポイント算出基準変更点についての考察

変更点の影響を、去年のデータからポジション別にざっと計算してみる。
「FW+0.25fp」のように書いてあるのは、
先発FW1人1試合あたりの獲得fpが去年と比べてどれだけ変化するかを表している。
今年のデータは3節までの集計を使用している。

ゲームポイント変更の影響

去年のファンタジーサッカー対象総試合数は261。

■ 出場時間 ■
去年の先発選手の「出場時間」による平均fpはDF2.88, MF2.67, FW2.53。
今年はここまでDF2.97, MF2.81, FW2.79なので、
差はDF+0.09fp、MF+0.14fp、FW+0.26fp。
獲得条件が緩和されたので、交代の多いFWはかなりプラスになる。

ただFWは無失点ポイントの獲得条件がフル出場だったり、
82分、85分以降のゴールにポイントがついたりで、
結局は今年もフル出場する選手を狙う方が良さそう。

■ 1失点のGK/DF ■
1失点試合 179 (GK/DFは+2→+1に変更)
そのうち被シュート15-19本の試合 40 (DFは-1→+1に変更)

1失点の試合はかなり多く、GKは-0.34fp。DFは差し引きで-0.19fp。

■ 無失点でフル出場のFW ■
無失点試合 137 (FWは+1)

無失点の試合もそれなりに多く、フル出場するFWは+0.26fp、先発FW全体では+0.13fp。

■ オフサイド ■
オフサイドを7回以上獲得した試合 36 (廃止)
オフサイドを6回以上獲得して1失点以内の試合 43 (DFは+1)

DFは差し引きで微増だが、あまり変化無し。

■ ゴール ■
DFの総ゴール 80 (DFは+5→+4に変更)

DFは-0.04fpくらい。

FK直接の総ゴール 17 (DF/MFは+3→+4に変更)

MF,DFはわずかにプラス。

総勝利得点 205 (廃止)

「勝利得点」廃止、「82分のゴール」、「85分以降のゴール」が追加で、
差し引きでは得点機会の多いFWから順にややマイナス。

■ アシスト ■
総アシスト 421 (+2→+1に変更)
PK,FK,CK直接以外でアシストがつかなかった総ゴール 246 (新たにアシストがつく可能性あり)

基準が緩和されてアシストが増えても、ポイント半減でfp合計は減少。
守備側の選手のクリアボールを拾ってそのままシュートといったケースもあるので、
ルール変更の影響はDF-0.03fp、MF-0.10fp、FW-0.10fpくらいか。

ボーナスポイント変更の影響

■ クロス数 ■
去年のクロス/CK成功率ボーナスはDF0.06fp, MF0.09fp, FW0.06fpとあまりつかないボーナスだった。

次に去年のクロス数上位選手の1試合あたりクロス数と成功率はこんな感じ。

駒野友一 6.29 26.2% 水野晃樹 6.24 17.7% ポンテ 5.61 37.8%
太田吉彰 5.25 21.4% 加地亮 4.89 24.8% マルケス 4.83 24.1%
古賀誠史 4.55 30.0% 田中隼磨 4.53 24.8% 市川大祐 4.27 26.2%
相馬崇人 4.08 不明

10試合以上出場で1試合の平均クロス数が4.0本以上なのは上記10人だけで、3.0本以上の選手は38人。

去年のリーグ全体のクロス成功率は23%(成功2465/総クロス10566)だが、
上位の選手はもう少し確率がいいようなので、
クロス成功率25%として、1試合のクロス本数ごとのボーナス期待値を計算したのが以下の表。

1本 0.000fp 2本 0.063fp 3本 0.156fp 4本 -0.055fp
5本 0.130fp 6本 0.288fp 7本 0.422fp 8本 0.533fp
9本 0.625fp 10本 0.700fp 15本 0.906fp 20本 0.973fp

何本失敗しようがとにかく2本味方に通りさえすれば1fp、という単純なルールゆえに、
当然だがある程度クロスの本数が増えれば高確率でボーナス1fpを獲得できるようになる。
しかし、クロス0本成功かつ4本以上失敗で-1fpなので、確率25%のクロスを4本だと期待値がマイナス、
5本蹴っても3本の時よりボーナスの期待値が低いという奇妙なねじれ現象が生じている。

去年のデータを見ればわかるように、大量にクロスをあげる選手はかなり限られているので、
クロス数が5本以下の大部分の選手にとっては、ボーナスは去年とあまり変わらないのではないか。

そこでコーナーキックが大きな問題になる。
1チームの1試合あたりのCK数は約5本である。この数字はほとんどの選手のクロス数より多い。
CK成功率のデータはないのだが、クロスと同じか少し高いのではないかと思う。
結果として、チームのCKを全て蹴る選手は、サイドプレーヤーよりも
このボーナスを稼ぎやすいと思われる。

ここからさらに推論を進めると、「クロスを上げ、コーナーキックも蹴る」ごく一部の選手にとって
今年のボーナスはおいしい収入源になりうる。

たとえば去年のポンテ、水野のようにクロスとCKを合計で1試合平均10本蹴るような選手は、
CKを蹴らない選手より1試合あたり0.50-0.60fpくらい高いボーナスを獲得できると予想する。

■ 自陣内パス成功率、クリア数 ■
これらの廃止によってDFはそれぞれ-0.17fp, -0.15fp。
新設された「ブロック数」ボーナスである程度補償されるだろうが、
守備的な選手のボーナスは全体として減少する。

■ ボール接触数と敵陣内へのパス数 ■ 
ルール変更により「ボール接触数」ボーナスの獲得は相当難しくなった。
DF/MFはこれだけで-0.30fpくらいの減少。FW/GKも-0.05fpほど影響が出ると思われる。

一方で、「敵陣内へのパス数」ボーナスはそれなりにつきそう。
前線のボール回しの中心になった選手の去年の1試合あたりパス数はこんな感じ。
(ランキングというわけではなく、選手は恣意的に選んだ。)

遠藤保仁 67.7 二川孝広 50.9 フランサ 47.0 茂原岳人41.4
柏木陽介 41.2 ポンテ 38.9 ヨンセン 38.2 マギヌン 37.7
藤本主税 37.0 山瀬 功治 36.8 マルシオリシャルデス 35.6 本山雅志 34.9
野沢拓也 34.5 ルーカス 34.3 ウェズレイ 32.0 前田遼一 29.1

藤田健 56.5 石原克哉 53.3 本田圭佑 43.7 山田暢久 42.9
水野晃樹40.3 兵働昭弘 38.84 藤本淳吾 37.94 高橋大輔 35.17

去年の「ボール接触数60回」のボーナスが、今年は「敵陣内へのパス数」に変更されたと考えると、
今年は前のほうでボールに絡んで仕事をする選手が有利になったといえる。

■ ドリブル ■
去年の「ドリブル+ラン数」ボーナスは、DF0.04fp, MF0.07fp, FW0.06fpとつきにくいボーナス。

今年は成功率のボーナスが2年ぶりに復活。
一昨年の「ドリブル成功率」ボーナスはDF0.55fp, MF0.49fp, FW0.35fpの大盤振る舞いだった。
今年は「ドリブル2回以上」との条件が加えられたので、一昨年ほどはつかないだろうが、
それでも去年よりはかなり楽にボーナスを獲得できそう。
去年の1試合あたりのドリブル数ランキングと成功率はこんな感じ。

ジュニーニョ 7.65 48.1% フェルナンジーニョ 5.85 47.2% 水野晃樹 5.24 57.2%
エジミウソン 5.17 52.0% 茂原岳人 5.12 54.1% 相馬崇人 4.77 58.1%
マルキーニョス 4.65 42.4% 山瀬功治 4.53 44.8% ポンテ 4.36 59.0%
デニスマルケス 4.31 46.4% 小宮山尊信 4.20 52.4% 駒野友一 3.91 66.2%
リチェーリ 3.81 57.4% バレー 3.74 57.8%

10試合以上出場で1試合の平均ドリブル数が3.0回以上なのは29人、2.0回以上が67人。
比較的安全にボールを運べるSBやWBはドリブル成功率が高いので狙い目か。

■ スルーパス ■
去年のスルーパス成功率ボーナスは、DF0.10fp, MF0.26fp, FW0.27fpと多くついたほう。
今年は条件が回数に変更。去年の1試合あたりのスルーパス数ランキングは以下のとおり。

ポンテ 3.09 二川孝広 3.06 フランサ 2.92 茂原岳人 2.88
フェルナンジーニョ 2.76 マギヌン  2.74 中村憲剛 2.6 マルクス 2.5
エジミウソン 2.45 ウェズレイ 2.28 マグノアウベス 2.23 ジュニーニョ2.19

10試合以上出場で平均スルーパス数が2.0回以上なのは24人、1.5回以上が38人。
ボーナス条件である3回成功は厳しめの条件で、特にDFの選手にはほぼ無理ではないか。
ここまでの獲得状況を見ると今年はかなり減少しそう。

■ GKの敵陣内へのパス ■
去年のチームごとのGKのロングフィード成功率のデータ
(J.League Stats Report 2007のPDFのグラフから目分量で測ったので数字は概算)

名古屋 62% 広島 58% 鹿島 56% 磐田 52% 浦和 51% 新潟 50%
千葉 50% 清水 49% 横浜FM 49% G大阪 48% F東京 47% 川崎 46%
柏 43% 甲府 42% 大分 41% 横浜FC 38% 神戸 37% 大宮 37%

ボーナス条件の50%はそれほど厳しくはなさそう。
しかし、ヨンセン、ウェズレイ、田代のように前のほうに優秀なターゲットがいれば
ロングフィードの成功率が上がるという結果になっているようで、
これをGKのボーナスにするよりは、FWの空中戦ボーナスを作ったほうがいいように思う。
楢崎はここまで3節ともこのボーナスを記録、今年も安定して稼ぎそう。

■ インターセプトとタックル ■
インターセプトボーナスが去年と比較してあまりに大量に減ったので、
Yahoo!に問い合わせたところ回答を頂いた。

> <インターセプトについて>
>
> 昨季までは下記1、2、3のどれかの条件を満たすもので
> 集計しておりました。
> 1、パスカット
> (相手のパスを読んで受け手がキープする前にボールをカットしたもの)
> 2、タックル直後に自分がボールをキープしたもの
> (相手がキープしているボールを奪い、自分でボールをキープしたもの)
> 3、ゴールに繋がるような決定的なパスを必死にクリアしたもの
>
> 今季からのインターセプトについては、上記の1のみに変更になり
> ポイント表のインターセプトの内容にも
> 「インターセプト(パスカット)をした回数」と表記しております。
> http://soccer.yahoo.co.jp/fantasy/jleague/tutorial/page_10.html
>
> パスカット数は
> 昨季までのインターセプト数の1割程度ですので、
> 今季の基準においてインターセプトポイントを獲得する選手は
> 昨季までより少なくなります。

というわけで、今年のインターセプトボーナスは非常に獲得しにくいものとなっている。
ただ、インターセプトボーナスの減少分とタックルボーナスの増加分が同じくらいになるように
ルールが調整されたので、全体としてのバランスは去年とあまり変わらない。

まとめ

去年のポジション別の全先発選手の平均獲得fpはGK6.03, DF5.87, MF4.95, FW5.10。

新しいボーナスの傾向など、まだはっきりしない点もあるが、
現在の印象だとGKは微減、DFは大幅減、MFは微減、FWはやや増といった感じで、
今年はGK > FW > DF > MFという序列になるのではないかと予想する。

項目 DF MF FW
変更:出場時間 +0.09 +0.14? +0.26?
変更:守備 -0.19 +0.13?
変更:ゴール - - -
変更:アシスト -0.03? -0.10? -0.10?
新規:ブロック +0.07? +0.09? +0.03?
変更:インターセプト -0.22? -0.21? -0.06?
変更:タックル +0.24? +0.24? +0.09?
新規:バックパス失敗 - -0.12?
新規:敵陣内へのパス +0.06? +0.18? +0.06?
変更:クロス/CK - - -
変更:スルーパス -0.10? -0.20? -0.20?
変更:ラストパス
変更:ドリブル +0.08? +0.14? +0.21?
変更:ファウル獲得 + + +
変更:ボール接触 -0.33? -0.33? -0.05?
新規:ポスト/バー
新規:シュート精度 + +
廃止:クリア -0.15 -0.01 -0.00
廃止:自陣内パス -0.17 -0.00 -0.00
合計 -0.65? -0.20? +0.35?

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